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2周目

2周目

今日は禊祓ってことで、人生卒業寸前で仕事を辞めた時の話をまとめようと思います。

先週のブログのアイキャッチ画像はときメモGSが10数年振りに新作出したという事で居ても立っても居られず描きました。

以前キャラデザでオゼゼをいただいてたんでついついリリースをチェックしてしまう。

ネタに走らせつつ結構真剣にアニメ塗りしてたら楽しくてしょうがなかった。
今だって作画すんの好きだって実感した。
その夜、辛くて辞めたゲーム会社と委託契約をする夢をみた。

うん。
未練たらたら。
でもねもうね我が道を行くけどね。

結論から

大事なのは人にも自分にも期待し過ぎない事だと思います。

それが自分の可愛がり方だと思う。
疲れちゃうからね。

憧れの会社へ

誰もが知ってるグループ名を冠した爆発的人気ゲームを作ってる会社に誘われる。
誘ってくれた人の事は苦手だったがその会社に入れる事を考えれば些末事に思えました。

スキルは求めてない

「君は僕の秘書として雇ったんだから」
「絵の才能は期待してないよ」

入社して気持ちが引き締まってる所、早速の冷や水を浴びせられました。
会社に誘ってくれた人のガジェットデザインチームに入る。
チームと言ってもこれまでソロ活、私を含めて2人のチーム。

lookback1

ひたすらつくり笑顔で過ごした出社初日。

心って折れるらしい

絶対に一人前になって手に職つけてやるって思ってたから、最初は秘書扱いでも良いと割り切って時間の許す限り絵を描いた。

描いた絵を見てもらうが一頻り罵倒された後、「人と積極的に会話するように、それがあんた本来の仕事だ」と言われる。

lookback2

段々自分がくだらない生き物だって刷り込まれてった。

キラキラ

凄く好きな人が居て。

プロジェクト内での立食懇親会みたいな所で、全然知らない人が急に話しかけてきた。

lookback3

普通にいったら馴れ馴れしい人なんだけど、全然嫌味じゃなくて皆から好かれてた。
嫌々だったけど「思い出づくりだよー」ってプロジェクトの数人でディズニーランドにも連れてかれた。

プロジェクト内の着彩のチームリーダーで、グループ本体からの出向で、順風満帆な人生。
キラキラしてるのが大好きで、眩しすぎて見てたくなかった。

彼女が心配して声をかけてくれる度に自分が惨めに思えた。

なおこの頃人生で一番肥えてた。

2016halloween
※クリエイターはエンターテイナーでなければならないって意図で全社ハロウィンとかやる会社でした

家と会社の往復してると楽しい事なんて食事しか無いと思うんです。
「食事が喉を通らない」という感覚を味わいたい。

ハラスメント

長い時は2時間、しょっちゅう上長のプライベートの女性関係の話をされた。

聞けば水の蝶々にハマってるようなんだけど、本人は恋愛関係にあると認識していて「浮気をつきとめた」と息を巻いてる。
ちょっとした事で相手が自分に気があると思い込む、上長はどエラいナルシストでした。
lookback4

私が女性がらみのお悩みを聞くのも上長の精神衛生上必要な事であり、それは仕事に直結してるんだそうな。

今の職場では仕事中に恋バナもワイ談もしてる。
その是非はさておき、この上長からされる話だけは気持ち悪くてしょうがなかった。

外を歩けばガラスにうつった自分と私の姿を見て
「『絵になり過ぎる』のは問題ですね」

罵倒とプライベートの管理とで精神的グロッキーになってる時は耳元で
「女の子の日?」

…思い返しながら書いていても鳥肌。
私の精神衛生は誰が担保してくれるんだろうって日々思ってました。

突然の終了

半年耐えに耐え、盗めるスキルは死ぬ気で盗んだ。
次第に「才能がない」と喚かれる回数は減り、「どうしちゃったんですか」と目を丸くされた時は勝ったと思った。

その頃チームには学生バイトの女性が入ってきて、上長含む3人で作業をしていた。
その人も上長の言動により随分精神を蝕まれてて。
ある日「一緒に労務行きませんか」と言われた。

上長は誰彼構わず日常的に暴言を吐いていたので、それを訴えたいというのが一点、
それともっと重大な問題があり、
上長はトレパクで原画を制作していた。
lookback5

少しばかり状況が緩和していた事もあり一人ではきっと動かなかったと思うけど、原画に問題があるのは確かだったので同行する事にしました。

トレパクで大炎上したゲームもあり、プロジェクト内騒然、フル動員で過去分を洗い修正を行った。
そしてガジェットチーム(私たち)は解体。

私はまるで縁のなかった女性向けゲームのプロジェクトに配属されました。

必死さを感じない

移った先の女性向けゲームプロジェクトは戦場みたいな所でした。

既にリリースもイベントも打って、声優を招き収録もしたにも関わらず
「キャラクターに魅力がない」
「インパクトに欠ける」
といった抽象的な問題により、恐らく発表延期になるであろう状態だった。

そんな所に右も左も分からない私、参上。
既に責任でパンパンのマネージャーへ、「私に教える」ってタスク追加。
滅茶苦茶お邪魔虫だったと思う。

そこの会社では初めての女性向けゲーム開発だったため、中々上手くいかず開発経験がある外部クリエイターを呼んだりと色々試みたものの、結局GOは出ずプロジェクト解体の運びとなりました。

終末期、心身ともにボロボロで休みがちになっていたマネージャーが私に言った一言
「(私に)必死さを感じない」

今でもあの時どうしたら良かったのかって凄く考える。
負け犬マインドが染み付いてたから、「自分が役に立てる訳がない」「女性向けゲームなんてわかんない」「何かしようとするだけ邪魔になってしまう」と、言い訳して逃げてたんだと思う。

私が死ぬ程頑張ったってあのプロジェクトは終わってたと思う。
でも今持ってる劣等感はきっともうちょっと軽かったんだろうな。

立方体を描くだけの簡単なお仕事

女性向けゲームのプロジェクトが終了を迎え、部長の前の席に招かれた。
もう行き先となるプロジェクトも無かったんだと思う。

そこで部長から直接、あれ描いてこれ描いてと指示があったが、いずれも「仕事与えるための仕事」だった。
そして「1日立方体を100個描いて」と言われて、毎晩毎晩仕事から帰るとただただ立方体を描いた。
lookback6

自分みたいな存在が自分から「辞める」って言う事すらおこがましいんじゃないかってメンタル状態だったけども、いよいよ無価値極まったのを感じて消えるように居なくなる事にしました。
流石にバックラーはしていないけども。

挨拶もそこそこに年末、「なんとかしなきゃ」って必死こいてきた日々は本当にあっさり終わりを迎えました。


気付いたらそれから5年。
当時女性向けゲームプロジェクトのマネージャーをしていたお姉様と同じ年齢になってしまいまして。

後進育成の大変さとか、プロジェクトに対しての熱意の違いとか、マネージャーがどんな思いしてたのかよくわかるようになりました。

それでもね、当時「なんとか描けるように」って自宅で描いてた絵を眺めて思うんですよね。
私すげー頑張った。
偉い。泣ける。

自分の中にあるとんでもねえ承認欲求と向き合うのならば、なんらかの形でクリエイターとして働く事が良いんだろうけども。
そうすれば漠然と「何者かになりたい」とか考えて無価値感に苛まれる事もないんだろうけど。
そういう面じゃツラ下げに戻って…なんて考えなくもないけども、
やっぱり辞めて良かったっす。

感謝してっけどクソくらえー!