モデレーターの朝は早い。
普段ならロードバイク通勤し籠城して涼んでいる時間帯。
月初めの木曜日は勤め先の全社朝礼があるため、早々にデスクへ向かう。
感染対策のためオンライン実施の朝礼、スライドと進行表を用意し構える。
主な仕事、 共有画面のページめくり。
(これがリモートだと意外と難しい)
1時間弱の朝礼を終えた後は全社MG会議。
終了後、昼時に多方面に送る議事録をまとめる。
議事録は手元で書き殴ったメモ帳を基に、人間が読める文章にするスタイル。
(ホント会議中に議事録まとめられる人すげーっす。)
また誰に向けて発信するかで内容を変えなければならないため、出来上がった議事録から削ったり足したりの作業が生じる。
結果送信完了したのが14時。
さあここから自分の仕事、と思っていた。
スケジュールを確認しフリーズする。
「今日、早退や」
これまでのあらすじ
一年前、全く連絡をとっていなかった父の携帯から受電、食事の約束をする。
その後3度に渡り「約束したのいつだっけ」と連絡を受ける。
当日を迎え待ち合わせるも「これなんだっけ」「そんな事したっけ」と話が噛み合わない。
その場で「物忘れしている感覚ある?」「一緒に病院に行こう」と伝える。
頭の中でパルプンテが起こりつつもその日はそのまま帰路に着く。
その夜メールが来る。
「言い忘れてたんだけどパパには○○さんっていう彼女がいます」
一体なんの報告だと思いつつ「嬉しく思うよ」と返信。
暫くして父携帯から電話がくる。
「メールみた?」
もはやキャリアメールは一切使っておらずメールを見逃していた事に気付く。
メールの内容は
- 意を決して病院に行った
- 前頭側頭葉変性症(認知症の一種)と診断された
- 今度病院に一緒に行ってほしい
というものだった。
電話をしていても父は
「全然大した事ないんだけどね」
と言っていたが父の様子が明らかにおかしいので仔細訪ねようとすると○○さん(父彼女)登場。
「あ、はじめましてー」
その後「娘が居るなんて一切聞かされていなかったのですが」というクレームを皮切りに暫くお話伺いあれよあれよという間に私・父・○○さんの3人で病院へ行く話に。
これまでにも通院を重ね、病院側から「流石に親族の方にお伝えするべき段階」と言われたらしい。
父とはとても良好な関係を築いてきたとは言えないため、「仕方ない」といった心持ちで有給を取り病院へ足を運んだ。
病院では検査や診察に類するものというよりかは、生活面について「最近どうですか?」って感じのヒアリングが大半だった。
前頭側頭葉変性症は脳の神経細胞が変性or欠損してしまう進行性の病気で治療法は無い。
神経細胞が働かないと「人格が変わる」「物忘れが多くなる」「行動に支障をきたす」といった事が起こる。
父のケースでの大問題が、 手洗いで用を足せない。
その他身の回りの事もずさんになっていた。
父の生活の面倒を甲斐甲斐しくみていた○○さん、音を上げる。
「片時も休まらないんです」
こりゃアカンと思い父宅通いの生活を始めた。
ベッドはたいてい汚れており、洗濯物も常々溜まっているので掃除・洗濯の繰り返し。
並行して介護サービスを利用できるよう手続きなどを進めた。
団体の訪問介護を依頼しやっと落ち着けると思ったのもつかの間
「訪問介護の時間に家に居てくれなくて逆に神経すり減らしてます」
と○○さんから訴えかけられる。
自身が訪問介護に取って代わる選択もできず、以前持ちかけられた短期入院を依頼する事にした。
父、退院するって
入院後2ヶ月
○○さんが「あんな所に閉じ込めておいたらどんどん進行してしまう」と退院を決めた。
そんな折親族から受電
「○○さんが(父と)結婚するかお金もらうって言うんさ」(群馬)
そのすぐ後に入院先の相談員さんから受電
「○○さんから退院を更に早められたいとのご連絡いただいたのですが」
父が入院し平穏に過ごしていた所、どえらいブッコミをくらいました。
どうでもいいマーチ
話は戻りまして、昨日の事。
退社予定としてた15時を軽く過ぎ、ダッシュで駅に向かう。
早退の理由は「父通院」。
それに際し父&父彼女に会う予定だったので親族から「結婚には断固反対してきて」と言われた。
私の心境としては、 どうでもいい。
休みとって通院付き合ってるだけで私スーパーZENな世界と思ってる。
親だって一人の人間なんだからやりたい事好きにやれば良いと思う。
それが自分に義母のできるような話であれ、他人は他人。
でも父にその意思が無いのならそれは めんどくさいけど 防がなきゃならん事なんでしょうね。
っつーわけで難病患者相手に意思確認。
「結婚したいの?」
「先々の面倒みたいの?」
という問いかけに、父、
「予定はないよ」
「する気はあるよ」
「しないよ」
「したいと思ってるよ」
「このままじゃ悪いなって」
「先の事はわからない」
もう本当要領得ない、やめたい。
父と二人っきりになれたタイミングでコソコソ質問してたのに、父が父彼女を見るなり言う。
「俺の書いた婚姻届持ってる?」
頼むから事理を弁識して…!!!!
結局意思能力を欠いている事は明白で、本来親族の意思通り「反対です」って言うシーンなんだろうけど脳内の「どうでもいい」がステンバーイ。
そして始まる電話祭。
帰路につくやいなや父彼女から受電。
「娘の立場としてどう思ってるんですか」
言わなかったが正直思った。
「いいから一旦家に帰らせて。」
「金銭面で親を頼る気はないし、父がしたい事は全部すれば良いと思うが当人があの様子だと…」
と話していた所ブツッと電話が切れ、続きを話したいとも思わなかったのでそのまま電車に乗った。
電車内でも父彼女と親族から複数回着信。
それね、精神攻撃。
21時過ぎに自宅に着くと同時に親族から再度着信があったのでしょうがなく出る。
即刻晩酌を始めた。
そして丸一時間、「このままにすべきでない理由」を話される。
その間に来る、レンタルスペース(仕事)のクレーム。
親族からの電話が終わり、中途半端に切れた電話の補足のため送られてきたメールに目を通す。
「大切な娘が同じ目に遭ったら本来の【父】だったら許さないだろうに。」
これ以上は危険だ
<続く>